妖しがりて寄りてみるに
晩ごはんを食べ終わると、また家から電話がかかってきた。
「もしもし?」
私は、何かトラブルがあって、帰るのが延期になるとか…そういう話を期待しながら電話に出た。
「久しぶり、日和。元気だったか?」
意外にも、電話口から聞こえたのはパパの声だった。
「出張は!?」
私は少し嬉しくなって、ちょっと元気になる。
「早めに切り上がって、さっき帰ってきたんだよ。」
優しいパパの声。
でも、伝えられた言葉はとっても残酷だった。
「明日の昼ごろ、パパが車で迎えに行くから…用意して待っておいてな」
「…わかったよ。待ってるね」