妖しがりて寄りてみるに

準備も一段落したところで、篤くんから電話が鳴った。


「はい!」

「ぷっ。
 なんだ元気じゃん。
 今、ヒヨんちの近くのコンビニ。」


「わかった!すぐ行くね〜」



私はドタドタと階段を駆け降りて、コンビニに向かった。


早く、会いたい。




走ってコンビニに向かうと、篤くんは本のコーナーで立ち読みしてる。


ふぅ〜と息を整えてたら、篤くんが気付いて、出てきてくれた。



「おまえ、彼氏に会うのにヒドイな」


大笑いする篤くん。

私は自分の恰好を見て、顔が熱くなっていくのがわかった。

Tシャツにスエットの短パン。
髪の毛は、暑かったから上の方で無理矢理おだんごにしてたっけ。



「なんてな。
 俺に会いたくて、いそいで来てくれたんだよな。」


にっこり笑いながら、頭をポンポンと叩く。


「ヒヨはヒヨだもん。
 そんなヒヨもカワイイよ」



篤くんの言葉、ひとつひとつに愛を感じるよ〜。

すっごくすっごく嬉しい!


でも、私は恥ずかしくなって何も言えなくなる。



「アイスくおーぜ」


篤くんはそう言うと、私の手をひっぱってコンビニへ入って行く。



…やっぱり離れたくないよぉ。


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