妖しがりて寄りてみるに
「ねえ、ヒヨ」
特別優しい篤くんの声。
「キスしていい?」
私は、ビックリして思わず篤くんの方を向いたまま固まってしまった。
返事する間もなく、篤くんの顔が近付いてくる。
おでこ。
ほっぺた。
唇。
篤くんのキスが降り注ぐ。
「ヒヨ、俺だって一緒にいたいよ。
こんなにカワイイ俺のヒヨ。」
そう言って、なんどもキスをする篤くん。
私は目を閉じて、すべてのキスを受け入れた。
私のファーストキス、めちゃめちゃ幸せじゃん。
「ヒヨ。
連絡して?俺もするから。」
私は、思いきり頷く。
「期間限定の遠距離恋愛だと思えばいいよ。」
そう言って、またキスをくれた。
篤くんと公園を出て、バイバイした私は、笑顔がおさまらなかった。
キスしちゃった。
しかも、あんな幸せなキス。
すごくすごく嬉しいんだけど!
夏休みは、残念だけど篤くんと、すごく近くなれた気がして嬉しい。
私は軽い足どりで家へ帰った。