偽り恋愛小説
「……そっか」
残念そうに田辺くんは呟く。
ああ、正直に答えるんじゃなかったな。
田辺くんをがっかりさせてしまった。
田辺くんはもう何も言わない。
気まずい空気が流れる。
すると、急に放送のチャイムが鳴った。
その後、スピーカーから
『一年二組の田辺太一くん、至急職員室に来てください。繰り返します。一年二組の田辺太一くん、至急職員室に来てください』
担任の先生が田辺くんを呼ぶ放送が流れた。