偽り恋愛小説


田辺くんは立ち上がり、


「……何だろう? じゃあ、ちょっと行ってくる」


と言って図書室を立ち去った。


田辺くんが小説を書いていたノートは机の上に置きっぱなしだ。


……田辺くんなら、どんな小説を書くのだろう?


私はジッとノートに見入っていた。


ダメだって言われたけど、読みたくなるのは人の性だと思う。


……ばれなきゃ、大丈夫だよね?


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