恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~


けれど、途中でくるりと振り向いて。


「それじゃあ、改めてよろしく、ひのもとさん!」


と、ニコニコしながら言ってきた。


あの時、何も言わずに無視しておけば、つらい思いをすることなんて無かったと思う。


でも、さすがに……


「斉藤君、わたしの名前は日下(ひのした)だから。それと…よろしくね。」


名前を間違われたままというのは気分が悪かったから、つい言い返してしまった。


これが、わたし、日下あかりと斉藤君の出会い。




どこにでもあるようなスーパーで、わたしは初めての恋を、した。
< 2 / 46 >

この作品をシェア

pagetop