恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~
けれど、途中でくるりと振り向いて。
「それじゃあ、改めてよろしく、ひのもとさん!」
と、ニコニコしながら言ってきた。
あの時、何も言わずに無視しておけば、つらい思いをすることなんて無かったと思う。
でも、さすがに……
「斉藤君、わたしの名前は日下(ひのした)だから。それと…よろしくね。」
名前を間違われたままというのは気分が悪かったから、つい言い返してしまった。
これが、わたし、日下あかりと斉藤君の出会い。
どこにでもあるようなスーパーで、わたしは初めての恋を、した。