恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~
「すいません、店長。日下さんって知ってますか?」
「もちろん知ってるよ。働いてる人全員の顔と名前は知ってる。」
「……その…言いにくいんですが……日下さんの評判とかどうなんですか?」
「悪くないよ。仕事も速いし、言われたこともきちんとするって言ってた。」
周りから嫌われてなくてよかったと、ほっとする。
どうして、こんなに気になるのか、自分でもよくわからなかった。
「でも、誰かと仲良くしてるのは見たことがないね。一緒に仕事をしているのも見たことないし、彼女は1人が好きなんじゃないのかな?」
「そうですか。どうもありがとうございます。」
「じゃあ、もう行くよ。これから、会議に行かないといけないから。」
そう言って、店長は倉庫を出て、店の中へと戻っていこうとする。
「ちょっと待ってください、店長。お願いがあります。」
「ん?できることなら何でもするよ?」
バイトの初日、俺は、店長にお願いをした。
そして、そのお願いは1ヶ月後に叶えられることになる。