恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~
「今日家からいちご大福持ってきたんだけど、食べる?」
「あってるけど、ちがう!その前!」
「…すまん。思い出せない。と、いうか聞いてなかった。」
素直に謝る。
こうやって卒論の話をしている時も、バイトのことを考えてしまっていた。
「……バイト忙しいの?いつもよりボーっとしてるけど、大丈夫?」
「いや、大丈夫。ありがとな、心配してくれて。」
それを聞くと、斉藤さんは、小さく「別に」と言って、そっぽを向いてしまう。
こうやってお礼を言われたりすると、そっけなくなるのは、斉藤さんのクセみたいなものだった。
面と向かって言われるのは、恥ずかしいらしい。