恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~
今日のランチ(ケンイチ)
『12時、食堂、集合』
彼女から来るメールはさっぱりしているな、といつも思う。
急ぎ足で大学の食堂にむかうと、メールの送り主が入り口で待っていた。
「遅い。もう12時30分。」
不満と怒りたっぷりの彼女の声は、多くの人がいて、にぎやかな食堂の中でも、はっきりと聞こえた。
「授業が長引いたんだから、しょうがないって。んで、何食べる?」
「今日のランチかな。確か、木曜日の今日はからあげ定食だったはず。」
入り口を抜けて、トレイを持って、注文をしにおばちゃんの方へ。
「じゃあ、今日は俺のおごりな。30分も待たせちゃったし。」
30分の遅刻が、350円で許されるとは思わなかったけど、とりあえず、だ。
「今日のランチと午後のケーキセットね。」
地味に1品増えていた。
どうやら、彼女の中で、30分の遅刻は700円でなかったことになるらしい。
「全部で700円ね。」
おばちゃんもお金を取る気マンマンだった。
「…それにランチもう1つ追加で。」
財布の中身は、今の9月現在よりも寒くなった。