恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~
まるで、入れ替わるように、斉藤君が店の中へ入ってきた。
「どうも、新しく入った斉藤です。よろしくお願いします、日下さん。」
その声で、気持ちが切り替わる。そうだ、きちんと仕事しないと…。
「こちらこそ、よろしく。それじゃあ、まずは……」
とりあえず、倉庫に行ってもらって、在庫を取ってきてもらおう。
後は、商品をきちんと並べる所を見せればいい。
私が商品を並べて、斉藤君が、台車に商品を乗せてついてくる。
これでいい。これで、余計なことは言われないはず。
持ち歩いているメモ帳を取り出して、持ってくる商品の名前と個数を書いていく。
「これ。ここに書いてある商品を倉庫から持ってきて。」
紙を破って、斉藤君に手渡した。わかりましたと言って、倉庫へと走っていった。