恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~
「商品の名前言っていくから、私にちょうだい。私はそれを補充して並べるから。それじゃあ、最初は砂糖取って。」
1段目、2段目、3段目と順調に進んでいく。
言えば、手元に商品が出てきて、まるで手術をしているような気分になる。
あっという間に、残りは一番上の4段目だけになった。
ほら、やっぱり斉藤君に教わることなんて、何もないじゃない。
「それじゃあ、みりん取って。お疲れ様、これで全部終わりです。」
私の身長では、最後の最後、4段目はちょっと届かなくて厳しい。
脚立を使えばいいんだけど、支えてくれる人が必要だから、1人では使えなかった。
だから、いつも背伸び。背筋をピンと伸ばして、つま先以外は、床についてない精一杯の背伸びでやってきた。
「……くっ……」
やっぱり、4段目にはなかなか届かない。でも、大丈夫。
ずっと、1人でやってきた。だから、今回も大丈夫なはずなんだ。