恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~



「いえ、別に……」



1人は別に悪くない。2人より1人が好きな人もきっとたくさんいると思う。



「でも、一番上が届きにくいようなら、俺に言ってください。さすがに、倉庫整理はもう飽きました。」



別に悪くないけど……つらいなら、1人でできないなら、頼ればいい。



足が震えるまで背伸びして、手の届かないところに無理矢理、手を伸ばすようなことをしなくていい。



自分じゃ無理でも、手の届く人が、きっと近くにいるはずだから。




しばらく、お互いに、何も言わなかった。店内の音楽がやけに、うるさい。




「……じゃあ、残り、お願い。それと……」



彼女は他の仕事をする為に、俺から離れていく。




それは、つまり俺に頼ってくれたということ。



彼女の最後の言葉は、店内の音楽がうるさくても、はっきり耳に届いた。





「ありがとう」
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