食人姫
「何だよこれ……何もこんな時に閉まってなくてもさ」
金網のフェンスに近付き、軽く揺すってみるけど、鎖が巻き付けられていて、南京錠で施錠されている。
かなり頑丈な錠前は、俺が何をしたところで破れそうじゃないな。
だったらどうする?
ここを通れないからって、谷に引き返すのか?
「ど、どうするの?これじゃあ進めないよ」
不安そうな麻里絵の手をギュッと握るけど、俺にはこの状況を打開出来る手段がない。
呆然と、フェンスの前に立ち尽くして十数分。
フェンスの向こう、道の奥から二つの光が近付いて来た。
自動車だろうか?
ここが通行止めになっているとは知らないんだろうな。
でも、何とか助けを求める事が出来れば、ここから抜け出せるかもしれない。
「おーい!誰か!助けてくれ!」
ただ、ここを抜けたい一心で、俺は必死に手を振った。
頼む、俺に気付いてくれと。
徐々に光が大きくなって来る。
そして、眩しくて光を腕で遮らなければならないほどに近付いて。
ドアを開けて、二人……誰かが降りて来た。
その二人が、俺達の方に近付いて来たのだ。
金網のフェンスに近付き、軽く揺すってみるけど、鎖が巻き付けられていて、南京錠で施錠されている。
かなり頑丈な錠前は、俺が何をしたところで破れそうじゃないな。
だったらどうする?
ここを通れないからって、谷に引き返すのか?
「ど、どうするの?これじゃあ進めないよ」
不安そうな麻里絵の手をギュッと握るけど、俺にはこの状況を打開出来る手段がない。
呆然と、フェンスの前に立ち尽くして十数分。
フェンスの向こう、道の奥から二つの光が近付いて来た。
自動車だろうか?
ここが通行止めになっているとは知らないんだろうな。
でも、何とか助けを求める事が出来れば、ここから抜け出せるかもしれない。
「おーい!誰か!助けてくれ!」
ただ、ここを抜けたい一心で、俺は必死に手を振った。
頼む、俺に気付いてくれと。
徐々に光が大きくなって来る。
そして、眩しくて光を腕で遮らなければならないほどに近付いて。
ドアを開けて、二人……誰かが降りて来た。
その二人が、俺達の方に近付いて来たのだ。