食人姫
「誰だ!こんな夜中にそこで何をしている!」
俺達に近付くなり、突然怒鳴り付ける一人の男。
車のライトが逆光になって、最初は良く分からなかったけど……良く見ると、二人とも制服を着ていて、警察官だという事が分かった。
「ん?まだ子供じゃないか。キミ達、こんな時間にどうしてここに?」
言い方は違うけれど、二人が言っている事は同じ。
「助けてください……谷で人が殺されてるんです!俺の友達も殺されました!人を食う化け物もいて、逃げて来たんです!」
こんな事を言って、大丈夫なのか。
そもそも、化け物が……なんて話、誰が信じてくれるのだろうか。
警察官はお互いに顔を合わせて首を傾げて不思議そうにしている。
きっと、頭がおかしいやつが現れたとか思ってるのかな。
……どっちでも良い。
このフェンスを越えて、街にまで辿り着けるなら。
「話が良く分からないが、ちょっと待っていなさい」
そう言うと、警察官の一人がもう一人に指示を出し、車へと走らせる。
しばらくして戻って来た警察官の手には、赤いタグが付いた鍵が握られていて、南京錠へと歩を進めて鎖に手を掛けた。
俺達に近付くなり、突然怒鳴り付ける一人の男。
車のライトが逆光になって、最初は良く分からなかったけど……良く見ると、二人とも制服を着ていて、警察官だという事が分かった。
「ん?まだ子供じゃないか。キミ達、こんな時間にどうしてここに?」
言い方は違うけれど、二人が言っている事は同じ。
「助けてください……谷で人が殺されてるんです!俺の友達も殺されました!人を食う化け物もいて、逃げて来たんです!」
こんな事を言って、大丈夫なのか。
そもそも、化け物が……なんて話、誰が信じてくれるのだろうか。
警察官はお互いに顔を合わせて首を傾げて不思議そうにしている。
きっと、頭がおかしいやつが現れたとか思ってるのかな。
……どっちでも良い。
このフェンスを越えて、街にまで辿り着けるなら。
「話が良く分からないが、ちょっと待っていなさい」
そう言うと、警察官の一人がもう一人に指示を出し、車へと走らせる。
しばらくして戻って来た警察官の手には、赤いタグが付いた鍵が握られていて、南京錠へと歩を進めて鎖に手を掛けた。