食人姫
逃げ出した先に
車が走っている。
心地良い振動が身体に伝わって、夢の中にいてもそれを感じる事が出来る。
このまま、全てを忘れて街に着いて、二人でひっそりと暮らして行こう。
きっとどうにかなるさ。
出来れば今は何も考えたくないと、夢の中の俺でさえそう思っている。
麻里絵と一緒にいる事が出来て幸せで、これがずっと続くものだと信じていた。
「……さあ、着いたよ。起きなさいキミ達」
車の揺れがなくなり、声を掛けられた俺は、ゆっくりと目を開けた。
深夜だからか、辺りは真っ暗で、とても街にいるとは思えなかったけど……寝ぼけていた俺は、とりあえず車から降りようと、麻里絵を起こして車の外に出した。
俺も車から降りると……。
違う。
「あ、あの……お巡りさん。ここは本当に……」
街がこんなに暗いはずがない。
それに、明らかに車に乗っている時間が短かった。
「全く、我々が運良く巡回で見付けたから良かったようなものの、タイミングがずれてたら発見できませんでしたよ?」
車を降りた警察官がそう言うと……道の先に突然、小さな光が沢山現れたのだ。
心地良い振動が身体に伝わって、夢の中にいてもそれを感じる事が出来る。
このまま、全てを忘れて街に着いて、二人でひっそりと暮らして行こう。
きっとどうにかなるさ。
出来れば今は何も考えたくないと、夢の中の俺でさえそう思っている。
麻里絵と一緒にいる事が出来て幸せで、これがずっと続くものだと信じていた。
「……さあ、着いたよ。起きなさいキミ達」
車の揺れがなくなり、声を掛けられた俺は、ゆっくりと目を開けた。
深夜だからか、辺りは真っ暗で、とても街にいるとは思えなかったけど……寝ぼけていた俺は、とりあえず車から降りようと、麻里絵を起こして車の外に出した。
俺も車から降りると……。
違う。
「あ、あの……お巡りさん。ここは本当に……」
街がこんなに暗いはずがない。
それに、明らかに車に乗っている時間が短かった。
「全く、我々が運良く巡回で見付けたから良かったようなものの、タイミングがずれてたら発見できませんでしたよ?」
車を降りた警察官がそう言うと……道の先に突然、小さな光が沢山現れたのだ。