食人姫
「大輔、これから儀式が行われる。本来なら、お前に見せるべきではないんだろうがな。親父がお前を連れて来いと言うから連れて行く」
「すまないな大輔。お前を助けてやる事が出来なかった。情けない親父で本当にすまない」
哲也の親父さんが俺の縄を解き、父さんが心配そうに俺の顔を見る。
どうして今まで来てくれなかったと、文句を言いそうになったけれど、その顔にあるアザやキズを見て、何も言えなくなった。
恐らく、俺が儀式の邪魔をした事で、警護である親父にも迷惑が掛かったのだろう。
そう考えると、親父が怪我をしたのは俺のせいなのだから。
「良いか?まだ暴れるんじゃねえぞ。今暴れたら、俺はお前を殺すからな」
脅しでも何でもない、哲也の親父さんの言葉。
縄が解かれ、身体が自由になったと同時に、自分の身体を支え切れずに、俺は地面に倒れた。
親父さんは暴れるなと言ったけれど、暴れる力すら残っていない。
「……仕方ねえな。ほら、掴まれ。本殿に行くぞ」
親父さんと父さんに脇を抱えられて、引きずられるように本殿へと向かった。
結局……多くの犠牲を払っても、麻里絵を助ける事が出来なかった。
「すまないな大輔。お前を助けてやる事が出来なかった。情けない親父で本当にすまない」
哲也の親父さんが俺の縄を解き、父さんが心配そうに俺の顔を見る。
どうして今まで来てくれなかったと、文句を言いそうになったけれど、その顔にあるアザやキズを見て、何も言えなくなった。
恐らく、俺が儀式の邪魔をした事で、警護である親父にも迷惑が掛かったのだろう。
そう考えると、親父が怪我をしたのは俺のせいなのだから。
「良いか?まだ暴れるんじゃねえぞ。今暴れたら、俺はお前を殺すからな」
脅しでも何でもない、哲也の親父さんの言葉。
縄が解かれ、身体が自由になったと同時に、自分の身体を支え切れずに、俺は地面に倒れた。
親父さんは暴れるなと言ったけれど、暴れる力すら残っていない。
「……仕方ねえな。ほら、掴まれ。本殿に行くぞ」
親父さんと父さんに脇を抱えられて、引きずられるように本殿へと向かった。
結局……多くの犠牲を払っても、麻里絵を助ける事が出来なかった。