食人姫
これまで考えていた事が、全く違っている。
当初は、人を食う化け物が現れて、それを鎮める為に33年に一度、生け贄の儀式をしなければならないと思ってたけど……。
本当は、儀式にかこつけて、巫女の肉を食らいたいと考えている谷の人達がいて、延々と続く負の連鎖を断ち切る為に、谷の若者を食らい尽くしてしまおうと、化け物達は思っていたのか。
恨み、憎しみ、色んな負の感情を抱きながらも、巫女らしく、谷を守ろうとするが故に、滅ぼそうとした。
どちらが正しいかなんて、俺には分からない。
麻里絵には死んでほしくなかったし、その為には何だってしようとしたから。
「私達は……また、谷を救えなかった。巫女の肉体から解き放たれた神聖な力は、33年間、またこの谷を守り続ける。私達に出来る事は、まだ肉を取り入れてない人を食うだけ。それももう時間がないけれど」
そう言って実香は、俺から離れると、闇に染まるように、例の化け物へと姿を変えて行ったのだ。
次々と消えて行く化け物を見て、俺はこの後どうすれば良いかを考えていた。
このまま、谷の風習だと自分に言い聞かせて、元の生活に戻るか。
それとも……。
当初は、人を食う化け物が現れて、それを鎮める為に33年に一度、生け贄の儀式をしなければならないと思ってたけど……。
本当は、儀式にかこつけて、巫女の肉を食らいたいと考えている谷の人達がいて、延々と続く負の連鎖を断ち切る為に、谷の若者を食らい尽くしてしまおうと、化け物達は思っていたのか。
恨み、憎しみ、色んな負の感情を抱きながらも、巫女らしく、谷を守ろうとするが故に、滅ぼそうとした。
どちらが正しいかなんて、俺には分からない。
麻里絵には死んでほしくなかったし、その為には何だってしようとしたから。
「私達は……また、谷を救えなかった。巫女の肉体から解き放たれた神聖な力は、33年間、またこの谷を守り続ける。私達に出来る事は、まだ肉を取り入れてない人を食うだけ。それももう時間がないけれど」
そう言って実香は、俺から離れると、闇に染まるように、例の化け物へと姿を変えて行ったのだ。
次々と消えて行く化け物を見て、俺はこの後どうすれば良いかを考えていた。
このまま、谷の風習だと自分に言い聞かせて、元の生活に戻るか。
それとも……。