食人姫
「ちょっと待ってよ……麻里絵が食べられてるとか、何の冗談!?だって麻里絵は……化け物に……」
儀式で、化け物を鎮める為に生け贄になる。
そう聞いたら、化け物に食われると思っても仕方ない。
俺だってそう思ってたし、それなら何とか助けられるかもしれないと思ってた。
でも、それは大きな間違いで、爺ちゃんの手によって麻里絵は命を奪われた。
「それは思い込みだったんだよ。本当は、巫女の肉に化け物を退ける力があったんだ。実香の指が、化け物を退けたように」
まだポケットに入っている実香の指を指差して、由奈にそう告げた。
光と哲也の死、そして儀式の正体。
短時間のうちに、話を整理も出来ずに事実を告げられて、由奈はどう思ったのか。
その戸惑う姿を見ていれば、内心穏やかではない事がよく分かる。
「何で……お父さんもお母さんも知ってるはずだよね?なのにどうしてそんな事を平気で出来るの?麻里絵は私の友達で……」
涙を流しながら、それでも何とか否定しようと首を横に振って声を絞り出す。
「だから俺は……今回でこの儀式を終わらせる。もうこれ以上、こんな儀式を続けちゃいけないんだよ」
儀式で、化け物を鎮める為に生け贄になる。
そう聞いたら、化け物に食われると思っても仕方ない。
俺だってそう思ってたし、それなら何とか助けられるかもしれないと思ってた。
でも、それは大きな間違いで、爺ちゃんの手によって麻里絵は命を奪われた。
「それは思い込みだったんだよ。本当は、巫女の肉に化け物を退ける力があったんだ。実香の指が、化け物を退けたように」
まだポケットに入っている実香の指を指差して、由奈にそう告げた。
光と哲也の死、そして儀式の正体。
短時間のうちに、話を整理も出来ずに事実を告げられて、由奈はどう思ったのか。
その戸惑う姿を見ていれば、内心穏やかではない事がよく分かる。
「何で……お父さんもお母さんも知ってるはずだよね?なのにどうしてそんな事を平気で出来るの?麻里絵は私の友達で……」
涙を流しながら、それでも何とか否定しようと首を横に振って声を絞り出す。
「だから俺は……今回でこの儀式を終わらせる。もうこれ以上、こんな儀式を続けちゃいけないんだよ」