食人姫
哲也が、光が死んで、俺はなぜ生きていると言った由奈も、さすがにこの事実を知らされてショックを受けている。
果たして誰が一番悪いのか。
実香や、歴代の巫女達の想いを知らなければ、俺だってまだ悩んでいたかもしれない。
化け物から谷の子供達を守る為に、この儀式は必要だったんだと言い聞かせていたかもしれない。
正直、今でも俺がやろうとしている事は正しいのか、間違っているのかさえ分からないけど、このまま谷の風習に流されてしまいたくないと思ったから。
「由奈は無理しなくていいから、家の中にいろ。俺が全部終わらせてくるから」
ポリタンクを両手に持ち、苦悩する由奈にそう告げて、集会所に向かおうとした。
でも、由奈はそんな俺に駆け寄って腕を掴み、首を横に振ったのだ。
「分からない……けど、大輔君と一緒にいる。一人でいたくない」
多分、自分で何を言っているかもわかってないくらいに混乱しているんだろうな。
そんな由奈を一人にしておくわけにもいかず、俺は頷いて由奈と共に集会所へと向かった。
この事で俺が罪に問われても良い。
そう思いながら、俺は最後の抵抗をしようとしていた。
果たして誰が一番悪いのか。
実香や、歴代の巫女達の想いを知らなければ、俺だってまだ悩んでいたかもしれない。
化け物から谷の子供達を守る為に、この儀式は必要だったんだと言い聞かせていたかもしれない。
正直、今でも俺がやろうとしている事は正しいのか、間違っているのかさえ分からないけど、このまま谷の風習に流されてしまいたくないと思ったから。
「由奈は無理しなくていいから、家の中にいろ。俺が全部終わらせてくるから」
ポリタンクを両手に持ち、苦悩する由奈にそう告げて、集会所に向かおうとした。
でも、由奈はそんな俺に駆け寄って腕を掴み、首を横に振ったのだ。
「分からない……けど、大輔君と一緒にいる。一人でいたくない」
多分、自分で何を言っているかもわかってないくらいに混乱しているんだろうな。
そんな由奈を一人にしておくわけにもいかず、俺は頷いて由奈と共に集会所へと向かった。
この事で俺が罪に問われても良い。
そう思いながら、俺は最後の抵抗をしようとしていた。