食人姫
しばらく、誰も何も言えずに黙っていたけど、その沈黙を破ったのは由奈だった。
「私、何が何だか分からなくなってきたよ。だってそうでしょ?ついこの間まで儀式の事なんて教えてもらってなくて、今年がその年だーって言われただけだよ?化け物の事も知らないし、小谷実香なんて人も知らない!隠し事が多過ぎて、もうわけわかんない」
自分が思っている事を吐き出したのだろう。
少し興奮気味に息をして、皆を睨むような視線を向けている。
「じゃあ何か、大人は、勝浩は化け物に食われたって俺達に言ったけど、化け物なんて出ねえって分かってるから俺達が帰るのを黙って見てたって事か?」
「大輔の話だとそうなるね。信じたくはないけど」
哲也は俺が言った事をようやく理解して、直人はもう答えが出た。
そんな印象を受ける返事だった。
「信じたくはないけど……谷の大人は、勝浩が死ぬのを知っていたんじゃないか?いや、最悪……谷の大人が殺したかもしれない」
一体何のためにと言われると、理由なんて全くわからない。
谷の子供一人殺して、何も得なんてなさそうだから。
「理由がわかんねえよ。あいつが殺される理由は何だ、言ってみろ!」
それが分からないから悩んでるんだろ。
「私、何が何だか分からなくなってきたよ。だってそうでしょ?ついこの間まで儀式の事なんて教えてもらってなくて、今年がその年だーって言われただけだよ?化け物の事も知らないし、小谷実香なんて人も知らない!隠し事が多過ぎて、もうわけわかんない」
自分が思っている事を吐き出したのだろう。
少し興奮気味に息をして、皆を睨むような視線を向けている。
「じゃあ何か、大人は、勝浩は化け物に食われたって俺達に言ったけど、化け物なんて出ねえって分かってるから俺達が帰るのを黙って見てたって事か?」
「大輔の話だとそうなるね。信じたくはないけど」
哲也は俺が言った事をようやく理解して、直人はもう答えが出た。
そんな印象を受ける返事だった。
「信じたくはないけど……谷の大人は、勝浩が死ぬのを知っていたんじゃないか?いや、最悪……谷の大人が殺したかもしれない」
一体何のためにと言われると、理由なんて全くわからない。
谷の子供一人殺して、何も得なんてなさそうだから。
「理由がわかんねえよ。あいつが殺される理由は何だ、言ってみろ!」
それが分からないから悩んでるんだろ。