海までの道 ~あなたと私の距離~
「きのうはありがと」
次の日、柚葉は私を誘って、タカ先のいる教官室まで行った。
「先生、私のこと心配してくれてるの?」
柚葉が言った。
「えっ…」
タカ先は赤くなりながら私をみた。
「お前らしくないっていうか、から元気っていうか、なんか悩みあんじゃねーのかなぁってさ…坂井とさ話したんだ」
「ありがとう。すごくうれしい。でも、元気だよ。大丈夫だから」
そう言いながら笑っている柚葉の目は、遠くを見つめているように思えた。