海までの道 ~あなたと私の距離~
「でも、本当のことかもしれない。そんなこと言う悠に抱かれたのは私なんだし、そんな悠に…」
『柚葉、体は大丈夫?誰かに相談した?』
「ううん。こんなこと誰にも言えないよ。ごめんね。和奏にも黙っていて。でも、私のこと見ていてくれたから話すことができたの。本当にうれしい。ありがと」
『一緒に病院行こうか?』
「大丈夫、もう少し考えて見る。まだ本当に妊娠してるかもわからないし、ママにも話していないから…ありがと。和奏」
柚葉の手を握った。小さな手は私の手をギュっと強く握り返してきた。
柚葉、苦しかったね。これからも味方だからね。という気持ちで帰り道も手をつないだまま歩いた。