海までの道 ~あなたと私の距離~
しばらくして、柚葉のママが来た。
タカ先は挨拶をし、授業中に事故が起きたことを話し、謝っていた。
柚葉のママは、こちらのほうこそ迷惑をかけてしまってすみませんと話し、先生の丁寧な対応に感謝していた。
「和奏ちゃん、ありがとうね。あの子元気そうだったのに、なにか具合でも悪いところあったのかしら?」
ママもまだ知らないんだ。
柚葉とママは仲がいい。一緒に買い物に行ったりしているし、いろいろな話もしていて、柚葉の家に行くとオープンであったかさを感じていた。
やっぱりあのことはママにも話せなかったんだ。
私は、柚葉の気持ちを考えると、涙が止まらなかった。
タカ先はそんな私の様子を見て、
「今日はこの辺で失礼します。また、明日来ます」
と挨拶して、私と病室を後にした。