海までの道 ~あなたと私の距離~
「コーヒーでいいか?」
私達は、病院の喫茶コーナーで話をした。
「あいつはきっと大丈夫だ。倒れた時の頭への影響もきっとないだろう。検査結果もでるだろうから心配すんな。お前が泣くとこっちまでつられそうになるだろ」
『うん。でもやっぱりタカ先すごいよ。柚葉のママもわからなかっのに』
涙をふきながらタカ先を見つめた。
「そりゃ、教師だからな…」
先生は鼻をすすりながらいった。
『えー、じゃぁ、私のことはわかるのかなぁ』
「……何、言ってんだよ。生徒のことはわかるよ」
『タカ先。ごめん、意地悪言って。タカ先の目すてきだよ。柚葉も気づくよ。きっと』
「…はぁー、やっぱりお前って不思議な奴だよな。この前も言ったけどなぜだかお前には
素直に話せるんだよなぁ。悪い、でも聞いてくれ。俺、教師失格だな。生徒の井上に恋愛感情持つなんて」
『そんなことないよ。人を好きになることは、大切なことだし。悪いことじゃない。それに、タカ先の恋の仕方は間違ってないよ』
「ありがとな…やっぱりお前ってえらいなぁ」
『高校生に思えないって言うんでしょ。まぁ、同じ年の女の意見として聞いてよ』
二人で笑った。