海までの道 ~あなたと私の距離~
「…和奏 わかな」
『えっ、何』
「なんだかぼんやりしてるな。なにかあったか?」
『ううん、なんでもないよ。夏バテ気味かな』
今日は久しぶりに航太とのデートなのに、私、どうしちゃったんだろう。
「あやしい。なんか隠してるだろう」
『ほんとにごめん。なんでもないよ。航太と久しぶりに会えたからうれしくて、なんだか
力が抜けちゃった感じなのかも。だって、ずっと会えなかったし…』
「そうだな、ごめん。俺、忙しかったからさみしい思いさせてたんだよな」
そういって航太は後ろから抱きしめてくれた。