海までの道 ~あなたと私の距離~


「…和奏 わかな」


『えっ、何』


「なんだかぼんやりしてるな。なにかあったか?」


『ううん、なんでもないよ。夏バテ気味かな』


今日は久しぶりに航太とのデートなのに、私、どうしちゃったんだろう。


「あやしい。なんか隠してるだろう」


『ほんとにごめん。なんでもないよ。航太と久しぶりに会えたからうれしくて、なんだか
力が抜けちゃった感じなのかも。だって、ずっと会えなかったし…』


「そうだな、ごめん。俺、忙しかったからさみしい思いさせてたんだよな」


そういって航太は後ろから抱きしめてくれた。
< 188 / 236 >

この作品をシェア

pagetop