海までの道 ~あなたと私の距離~
『もしもし、航太?』
うれしくて元気よく話す私。
「…もしもし…遅くにごめん。俺だけど寝てたか?」
なんとなく元気ない声が聞こえる。
『航太。どうしたの?なんか元気ない?』
「あのさ、明日、海行かないか?」
「いいけど、急にどうしたの?」
「和奏と会いたいだけ。明日、学校終わったら迎えに行くから」
『うん、わかった。楽しみで眠れないかも』
「じゃあ、明日。おやすみ」
『おやすみ』
どうしたんだろう。
なにかあったのかな。
でも、航太に会えること、海に一緒に行けることだけで私はうれしかった。