海までの道 ~あなたと私の距離~
本当の心
あの雨の日から何日が過ぎただろうか。
時間だけが私の中を通り過ぎて行く。
何をしていても、心のどこかに不安やさみしさがあった。
航太を信じなきゃ。
信じようと思えば思うほど、こんな気持ちになる自分が嫌になる。
今日も秋の雨が静かに降っていた。
きっと、今日も途切れることなく続く雨を、海はやさしく受け止めるんだろう。
いつか私も海になれるだろうか。
空を眺めながら、私は思った。