海までの道 ~あなたと私の距離~

ありがとう。大好き



空は青く、澄み渡っている。



「和奏、どうしたの?空なんか見ちゃって」


柚葉が声をかけてきた。


『気持ちいいなーと思って。柚葉も天気に負けないくらいのいい笑顔だね』


「何言ってるの。和奏も笑顔が戻ってよかったね」


『ありがと。心配かけました。タカ先にも進路報告行かなくちゃ。お世話になりましたって。本当にありがと。柚葉が友達で私は幸せだよね』


「またぁ、改まって。変だよ、和奏。でも、何があっても私達は友達だからね」


『うん』


体の中から気持ちがポカポカしてくる。


人の体は水分で出来ているっていうけど、体の中の水が温泉のように心を癒してくれてい
るみたいな、不思議な感覚だった。



こういうのって、幸せに包まれているって言うのかなぁ…
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