海までの道 ~あなたと私の距離~


「俺さ、仕事辞めて、田舎帰ることにしたんだ。」



『えっ。どうして…』




「おふくろの体の調子も悪くなってきたから…。だから、和香…


お前…俺と…」



店からはいつもと同じ、お客の笑い声や店員の活気のいい声が聞こえてくる。




私たち二人の場所だけが凍っているような感じがした。
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