海までの道 ~あなたと私の距離~


「そうですか、残念だなぁ。いろいろな店を探してもないし、わからなくて、ここで見たことを思い出して。ここにくればあるかもって思ったんだけどなぁ。」


『あの…、私、その本持ってるんです。』


「本当!もしよければ、見せてもらえないかなぁ。」


『明日でもいいですか?明日持ってきますよ。』


「本当にいいの?うれしいなぁ。いいです。明日。でも、仕事終わってからだから、7時位になっちゃうんだけどいいかなぁ。」


『私も、明日もバイトだし、いいですよ。』


「ありがとう、じゃぁ、この先のドーナツ屋で7時ね。ありがとー」


その人は何度もお辞儀をして、笑顔で帰っていった。その様子がおかしくて、私もずっと見送った。
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