【完】山崎さんちのすすむくん
女の子の日……?
……て、もしかしてお馬(生理)のことか!?
そーいやんなことすっかり頭から抜けとったわ……よう考えたらこれも妙齢の女子やもんな。
「最初は生活が変わったからかなーって思ってたんですけど、流石に可笑しいなって思って。その時髪の毛のことにも気が付いて……」
自分の身に起きてる不可思議な状態にまた不安になった、っちゅう訳か。
知らないところに来た上に、時が止まったかのような己の体。
そら確かに心細くもなるわな。
「それで何となくあそこに行ってみたんです。突然凄い雨が降ってきたからそのままボーっとしてたらつい……ごめんなさい」
加えて、さっきの申し訳なさを改めて思い出したのか、しゅんと俯き小さくなった夕美。
正直、なんと声をかけて良いのかわからない。
こんな時、俺は無力だと思う。
琴尾以外の女子に対する接し方がよくわからないから。
土方副長なら気の利いた言葉の一つや二つ、かけてやれるんやろうなぁ……。
なんてことを頭の片隅で思いながらも、俺は必死で言葉を探した。
「……まぁ、ええように考えたら元の場所と繋がっとるっちゅうことかもしれんやん? お前さんが此処におること自体不可思議なんやし、あんま深ぅ考えな」
それはなんの確証もないし、ただの気休めにしかならないのだろうけれど。
少々苦笑い気味で、な? と首を傾げた俺に、夕美は少しだけ笑った。
「そうですね」
その僅かに憂いた笑みが、何となくいつもより大人びて見えたような気が……する。