涙〜あなただけが〜
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「おかえりー!長かったね...?」
「あ〜、うん、ちょっとね...ハハッ」
かれこれ三十分は話したかな?
彩に少しだけ申し訳ないと思った
待たせちゃったからね
「今、用意するから!!」
机のものを全部出して
ランドセルに詰め込むのは毎日同じ
この日もそうしていた
「また変なの引き受けたの?」
──ギクッ
「なにが〜!?」
「もー、香澄だって忙しいんだから!」
「違うよ彩、大丈夫!」
やっぱりごまかしは聞かないか
でも助けられてるのは私のほう
人の役に立てて、私のいる意味になって
特別になりたかっただけ
だから...
「だから、大丈夫!」
「...ならいいけど?」