涙〜あなただけが〜



____________



「こっち、パス!」



「逆サイ!ディフェンスするよー!」




足が勝手に動いてボールを求める



唯一の私の場所




『お疲れさまでした!』





この一言で終わってしまう






「ねえ、香澄ちゃんってさ友達いないの〜?」



同じポジションの先輩がニヤニヤしながら近づいてきた






情けない



...こんな


ひとつ上でも年下しかいじれないなんて。




思わず笑みがこぼれてくる




「何がおかしいの?」



つった目はひどく醜い






「いや、別に?」



私はそんなに暇じゃないんだ



あんたみたいな人にかまってられない




戦わなくちゃいけないんだから






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