涙〜あなただけが〜


「ふーん」



またなにかしてくるのかな




もしかして別れろとか?



絶対ヤダ!!!



「おめでとう」




「...へ?」




今、雅が言ったの?





「何そんな素っ頓狂な声出して」




「だ、だって...」





あれ?


雅は晴人を好きなんじゃないの?




「ごめんね、やりすぎた。
香澄だけが幸せで報われなくて


晴人に怒られてわかったんだ」




...怒った?





「付き合うことだけが全てじゃないんだよね



想うだけでも立派な恋って思えるの

私、ちゃんと恋してみる」




「...みやびぃ」




凛々しくて


綺麗で



前を見た彼女は何かを吹っ切ったように
清々しい顔をしていた




「晴人なんかに負けない人がいい!」



「いっぱいいるよ!すぐそこにも!」




大丈夫


雅にはきっといい人が現れるよ




「おい、それ失礼じゃね?」










いつの間にか掃除も終わっていて


目の前にはひきつっている私の彼氏



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