涙〜あなただけが〜







「今日、可愛いからずっとしたかった」


“可愛いから”



今可愛いっていった?



そんなの言われたらもうダメ



ゆっくりと顔をあげて晴人を見つめた





赤いのは夕焼けのせいなのか

それとも紅潮しているのかわからない




ゆっくりと晴人の顔が近づいてきた



___チュ



それで終わりだと思ったのに


「んんんーー!!」



ナニコレ…?


息ができない


「ん!んん!」



晴人の胸板を何度も叩いた


「はあっ」


少し離れた瞬間にありったけの酸素を
体に取り入れたとき


「んっ」



生暖かい何かが口の中に入ってきた



…舌?


まって、まってまって!!!!





「んんん!!やっ!」



やっと離れた晴人は余裕そうな顔をしている



私ばかり焦っていた




「ごめん、抑えらんない」





………はい?




「香澄、顔真っ赤」



「なっ、晴人のせいだよ!!!」



< 239 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop