涙〜あなただけが〜
「今日、可愛いからずっとしたかった」
“可愛いから”
今可愛いっていった?
そんなの言われたらもうダメ
ゆっくりと顔をあげて晴人を見つめた
赤いのは夕焼けのせいなのか
それとも紅潮しているのかわからない
ゆっくりと晴人の顔が近づいてきた
___チュ
それで終わりだと思ったのに
「んんんーー!!」
ナニコレ…?
息ができない
「ん!んん!」
晴人の胸板を何度も叩いた
「はあっ」
少し離れた瞬間にありったけの酸素を
体に取り入れたとき
「んっ」
生暖かい何かが口の中に入ってきた
…舌?
まって、まってまって!!!!
「んんん!!やっ!」
やっと離れた晴人は余裕そうな顔をしている
私ばかり焦っていた
「ごめん、抑えらんない」
………はい?
「香澄、顔真っ赤」
「なっ、晴人のせいだよ!!!」