涙〜あなただけが〜
晴人があんなことするから
「ごめん」
「うん…」
なんか微妙な感じだな…
「もう、行こう?」
最初から花火大会行く予定なんだから
そろそろ行こう
始まるまであと1時間
わたし達は二人で立ち上がった
「もうちょい…」
…………?
涼しくなった夕方
後ろから体温が伝わってきた
「後もう少しだけ、二人だけでいたい」
「……………っ」
余裕なんて持ち合わせてなかった
今日の晴人はなんだかおかしい
…でも
「…う、うん」
こんなに動揺している自分もおかしい
心臓の音が晴人に聞こえそう
「ど、どうしたの、今日は?」
いつもの雰囲気を取り戻そうと
少しふざけたように話しかけた
じゃないと私がもたないから
「なんとなく。香澄が可愛いから」
「なっ……!」
こんな簡単にそんなこというなんて
やっぱりおかしい