涙〜あなただけが〜








「卒業…だなあ」


お見送りのとなりになったのは優人だった



優人と離れるのは少し寂しい




「中学校でもよろしくね?」


「もちろん」



変わらない関係でいたいな

たとえ男と女でも。




「変わらずの夫婦漫才見せてな?」




「はあ!?そんなんじゃないし」



優人にもそう見られてたんだ

...なんか、複雑





「そーいえば香澄、茜に頼まれごとしてたんだろ?」


唐突の質問

それは優人の口から決して発せられることはないはずだった


ううん、ゆうと以外のみんなも。






「え?」





思い当たるのはひとつだけ

でも私は言ってない


言ってなかったら知るはずがない



え?…どういうこと?





「ハハッ、誰が言ったのかとか考えなくていいよ!」








私の考えてること、優人にはお見通しか



でも、なんで...?






「誰でもわかるよ」


「……えっ!?」



優人がそんなに勘がよかったなんて…



「絶対失礼なこと考えてるだろ?」



「え、いや、別に…あはは」



だって...ねえ?




「まあ、いいや!」




「いいんかい!」



それが一番ホッとするけどね










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