涙〜あなただけが〜
「だいたいさ…好きな人を聞かれてほんとにいなかったら香澄に聞いたりしないだろ」
「それは...!」
「香澄に好きな人がいたら。そう考えたら怖かったんだな、きっと」
...バカだよ、ほんとに
だったらなんでやめろって言わなかったの
無理矢理にでも聞かせないようにすればよかったじゃん
「晴人の好きな人は、香澄だよ」
一番聞きたくなかった言葉だった
う、そ…だよね?
「でも、それは優人の憶測で…」
クラスメイトにも何回かは言われたことがあった
言わないで聞いてくるのは
私の好きな人を意識している証拠、だと。
......でも
「さっき晴人に聞いたんだ」
善人でいたかった
少しの可能性にすがりたかった
これは、喜んでいいことなの...?
それとも...
──────ハッ
私…ひどいこと言った、
晴人に
"晴人と離れられるなーって!"
ひどいこと言った