涙〜あなただけが〜



「ねね、香澄と晴人なんかあった?」



帰り道、食入り気味に彩は尋ねた




「へっ?」



「今日一回も話してなかったじゃん
小学校の頃はそんなことなかったのに」




__やっぱり...





晴人は男の子で

私は女



だからきっと、話す機会がなくなっただけ

それだけだって。




でもきっと私が晴人を怒らせた日



あれが原因だってことも薄々気づいてた





「あ〜、きっと思春期だよ!晴人も大人ぶって馬鹿みたい!」




単純だった



恋愛なんて人ずてに流れて人ずてに終わる


晴人が私を好きなんてただの気まぐれ


どうせまた、からかってるだけ





そう思っていた





この頃、晴人は何を考えていたの?

私さ、バカだから何もわからない




晴人の優しさに甘え過ぎてたよ


ねえ晴人...戻りたいよ













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