涙〜あなただけが〜
──キーンコーンカーンコーン
「はい、じゃあここまで」
『ありがとうございました』
...やっと、終わった。
「かーすみっ!見たよ〜!」
「何を?ってかなんでそんなテンション高いの?」
ぴょんぴょん飛び跳ねる彩を横目に
私は冷めた目を向けた
「何って晴人と話してたところ!」
「どーでもいいし、晴人なんて」
「じゃあなんでそんなニヤけてるの?」
「えっ!?」
「ほらっ」
彩に鏡を向けられて確認すると
口角が少し上がって
ほほも少し赤い私の顔が写った
「うそ......」
なにこれ!
なにこれ!なにこれ!!!
たかが晴人だよ?
茜ちゃんが好きな晴人だよ?
久しぶりに話したからだよね?
「ついに始まったか〜!」
「はあ?ナイナイナイナイ!」
ぜーったいに、ない!!!!