first love

敗北

それからも翔とあたしの生活は変わらずに続いていた。




でも仕事は違った。



「美華さん...」

アヤナだ。

言われることは大体分かってる。



「翔と別れてもらえません?」

あたしはため息をついて、
アヤナを睨んだ。


「あんたに関係ないでしょ」

「関係あるから言ってるんですー。
翔がナンバー落ちたの、自分のせいって思いません?」


あたしは、何も言えなかった。

分かってるから。
そんなこと。


「翔のこと少しは考えてあげてください。
本当に好きなら、別れると思いますけど。
翔のためにも。」



いつもと違って、真剣にそう言うアヤナ。


…本気なんだ。翔のこと。




「あたし、美華さんが憎いです。
あたしは毎日毎日翔のとこ通って、給料のほとんどを翔に落として、翔がNo. 1になるためならなんだってしてるのに…
美華さんは翔に何かしましたか?
全て捨ててでも翔といたいんですか?」



アヤナは涙目でそう訴えると更衣室を出て行った。



取り残されたあたしと、数人のキャスト。

空気が凍りついてる。





「美華!いこ!」

沈黙を破ったのはマナミ。
あたしの手をとって、更衣室をあとにした。





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