消えない傷-Only You-
6
共に一夜を過ごしたことで思い知った。
比呂くんはこれから先も茉莉を忘れない。
私だって比呂くんを忘れることなんかできない。

思えばいつも一方通行だった。
電話も。LINEのひとつでさえ。

私は比呂くんの前から消えよう。
そして今夜の思い出だけを抱えて生きていく。

涙を流し歩いていても誰も私を気にかけることはない。
冷たい夜の街を私はさ迷い続けた。
私の夜が明ける日は…
一体いつ来るのだろう…?
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