向日葵の事情
校門に人影が見える。
…見間違えるわけない。
「時雨…」
遠目から見てもわかる。
門に寄りかかってるのは時雨だ。
「時雨、誰待ち?」
「おー、有馬か。お前待ちだよ」
「なに?もう拉致するんすか?」
「拉致するのに1人じゃ来ないっしょー。俺が用あるのはこれだから」
と言って時雨の指指す方は…
ワイシャツの襟元…の小さな機械。
「…ちっ、盗聴かよ、趣味悪ぃな」
「お陰で色んなの聞けたよー。
暴走族なんて1人じゃ何もできないんだっけ?
あの馬鹿でかいグループの令嬢の言う事ではないよなぁ」
「何が言いたいのよ。
てか、女の子盗聴とかやめてくんない?
う〇ことかしてたらどうすんのよ」