向日葵の事情
とりあえずアドレスを渡したが
次に見かけたときも男についていこうとしていた。
そして気付いたら
俺と有馬はセフレという関係。
有馬の手首には紅い線が幾つもあった。
誰かとセックスをした後は
いつもやってしまう、と。
そう言う有馬の背中はとても小さくて
その場に不相応に"可愛い"と思ってしまった。
俺とヤった後に自傷行為をしていると知っていながら、俺は有馬の手を離すことはできず…
彰に悪いと思いながらも
ズルズルと引きずってしまった。
有馬と関係を持って1年くらい経ったとき、父親に呼ばれた。
「お前、あの子が誰だかわかっているのか?」
全然知らなかったんだ。
「言わない俺も悪かったが…」