向日葵の事情
「用件、はよ」
そして悪意の込められたスルー
『…まぁ、いいわ。あなたに話があるの。今から会社に来てちょうだい』
話って…ひとつしかないじゃない
ほんと、憂鬱。
あたしはシャワーを浴びてスーツに着替え(一応、会社に行くからね)メイクをして、バイクのキーとヘルメットを手に取った
どうせ、あの件を言われるだけ
その後の決まり文句も目に見える
マンションの駐輪場へ行って、スーツに似合わない、いじられたバイクに乗る
ブオォォン
あー、この音、風を切る感覚
ほんっとーに病みつきになる
あたしは金色の髪の毛をなびかせながら、母親の会社、錦グループ本社へ向かった