向日葵の事情
驚いた
この傷のことを知っているのは
あたしと、あともう一人しかいない
普段は長袖着てるし
誰も近づかないから
手をギュッと握った
伸ばした爪が手にくいこんで痛い
「ほら、そんなに手を握ると爪で痛いだろーが」
なんで、晴哉には全部お見通しなんだろう…
「別に…自傷のこと隠してたわけじゃないしバレたってどうってことないよ。でも理由とか聞かれても答えないから」
はっきりとした理由なんてないし。
いつの間にか自傷することで快感を得るようになった話はまた今度
「あぁ、聞いちゃダメか。じゃあ聞かない代わりに空海の姫になって欲しいんだが」
は?
晴哉の言葉にあたしと幹部達が驚く
「おい、晴哉!聞いてねぇし、そんな計画!」
「彩都。信じるって決めたんだから異論はねーよな?文句あるんだったら空海抜けていいぞ。そのくらいの覚悟だったってことだしな」
彩都は顔をしかめた