向日葵の事情
この頃、『錦有馬っていう金髪の女が空海の姫になった』噂は学校を巡った
勿論、学校外でもその噂は巡りに巡って…
とある男の場所に迷い込んできた。
「くくくっ…そうかそうかー。錦有馬…やっぱ親子は似てるねぇ」
その男は2枚の写真を眺めながら
心底愉快そうに笑った
「最後に会ったのは…中3の梅雨の頃だったかな。あいつのことだし美人になってんかな」
片方の写真には、幼いその少年と髪の毛が茶色がかった同い年くらいの少年が仲良さそうに笑っている
もう片方には、今より少し幼げなその男と…錦有馬が写っている
「あぁ、楽しみだ。あいつのあのどん底に落ちたときの表情がまた見たい」
部屋に男の笑い声が響きわたる。
「待ってろよ…彰、有馬」