向日葵の事情
「ねぇ、君、有馬ちゃんでしょ?」
いつもの繁華街で、
いきなり後ろから声をかけられた
後ろを振り向くと同い年くらいの男が立っていた。
「…誰」
彼をきっと睨む。
「あんたの元彼の知り合い、だよ」
その瞬間、あたしは彼の腹に拳をいれた
と、思った
「おっと、流石空手やってたから瞬発力すごいね。でも俺には敵わないよなぁ」
拳を受け止められてしまった。
只者じゃないと判断した。
「あんた何者?」
「だから彰の知り合い。ってか親友」
親友…何度か話に出てきた。
「…時雨?」
「せーかい。良く知ってるねぇ」
榊(サカキ)時雨。
本当に彰とは仲良かったらしい。