向日葵の事情


あたし達はセフレという関係になった。

あたしが寂しいときに
時雨はずっとそばにいてくれた。


「……時雨、あたし、もう…」

「……ん」

「全部っ、全部っ忘れさせてっ…」


事が終わった後、
時雨はいつもあたしの手首の傷を舐める

毎回増えるあたしの傷を
醜いあたしを

「綺麗だ」

と言ってくれる。


時雨は優しくて…
もう彰のこと忘れるくらい夢中になれるかも、と思ってた



そんな日が続いたのは
1年後…中3の梅雨まで。


おかしいと思ったんだ。

どんどんあたしの体は痩せていった

生理が来なくなった


流石に検査薬を買った

やっぱり心配で。

そしたら陽性で驚いた。


でも、父親が時雨ならいいんじゃないかな

そんなに甘くないのに。
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