切恋【完】
紅茶色のふわふわパーマを揺らしながら、楽しそうに笑う広川。
「弱みとかないんだけど」
相手してらんない。
そう思って前を向けば、耳元でそっとささやかれる。
「愛莉、シュリの事すきだよね?」
「……っ!」
なんでそれ…っ!
勢いよく振り返れば、楽しそうに笑う広川。
「なんで、って顔してるよね?
ふは、俺ずっと愛莉のこと見てたから。
すぐ分かる」
「は?」
それ、どういう意味…?
「またゆっくり話そうね」
唖然とする私の頭をふんわりと撫でて、教室の外でまつ女の子の方へ歩いて行った。
なに、いまの?
頭も撫でられたし…。
もしかしてあいつ私の事すきなの?そう思ったけど、他の子にも頭をなでて抱き寄せるあいつを見て、それはないな。と納得した。
そんな姿をシュリが見ていたなんて、私は気づかなかった。